でかいトロピウス

役割論理の話をします

三田メディア地下環境考察

1.はじめに

 

 「───学生という生物を端的に一言で表すとするならば、それは図書館に籠る生き物と定義できる。彼らは図書館で生まれ、図書館で育ち、図書館で死ぬのだ。」

    〜『新版 小学館の図鑑NEO 変な生き物』より引用〜

 

今回は日々メディアセンターに潜り、閲覧席に居座って現に読書、勉強、ゲーム、Twitterに勤しんでいる、または来年、再来年からそうしようと志す諸君らのために三田メディア地下各階の状況を概観し、それを踏まえてより快適な生活を送るための環境考察を行う。

なお、本記事が対象とするのは三田新館であり、旧館、南館についてはまた別論となる。

 

2.各階状況

本項では、メディア地下各階の状況を概観する。なお評価の基準は本の渉猟、閲覧席居座りという二つの観点に概ね尽きる。

 

初めに三田メディア地下全体について軽く触れよう。我らが三田メディアセンター新館は地上5階、地下5階の規模を誇るでっかい施設である。本来地上1、2階、あと5階にでっかい閲覧、学習専用スペースがあり、大半の学生がそちらを利用するものと思うが、それはそれとして、地下書庫の隅っこに備え付けられている閲覧席を利用したい!という私のような人間がそれなりにいるのである。

というわけで、以下そんな地下の各階概要である。

 

・地下1階

人が多い、多すぎる、本当に多すぎる。メディア閉館間際でもそれなりに閲覧席に人がいる。どっから生えてきてんだこいつら。

とはいえ、コンセントは2.5(自分用2つ、共用1つ)、木製机、やわらか椅子を備え、トイレや出口も近くインフラの整備度合いがダンチ!あまりにも魅力的で、いくら人が多かろうとそれを覆すにあまりある利便性を誇り、ぶっちゃけ普通なら欠点を飲み込んで地下1階に篭ってもそんなに悪くない。

しかし、ここで三田メディア地下閲覧席の設計がどう考えても正気じゃない問題が首をもたげる。

というのも

三田メディア地下のほぼ全ての閲覧席はガチのマジで意味不明なことに何故か目線の高さにでっけえ風穴をぶち抜かれており向かいの席に人が座った際の気まずさが半端じゃないのである。中途半端に囲われているせいで、むしろ完全に仕切りがない場合より意識してしまう。

 

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ちょっと見づらいが、目線の部分が何故かピンポで空いているのがわかるだろうか。

 

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向かい側がこうなっている、座られると気まずい。

 

 

特に目があってしまった時がやばい、お互い謎の苦笑を浮かべるしかない、やばい、俺とお前が気まずくて光の速さで世界がやばい。

さらに追加の意味不明ポイントとして地下閲覧席は基本1つの照明を2席で共用する構造となっている。

 

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上の写真でいうとここ

 

そして、写真をみればおわかりのように、照明は構造上片方にしか傾けられず、つまり一度にどちらかしか照らせないようにできているのだ。いや、なんでだよ。

不用意に座ると向かいの人が使ってると自分は使えないし、かといって向かいの人がいるのに自分だけ使うのもなんか申し訳ないという感情の板挟みに苦しめられ、現世からの逐電を強いられる可能性もなきにしもあらずだ。

これらの理由から、三田メディア地下快適生活の為には基本的に向かい側に人を座らせないという立ち回りが要求されるのである。

つまり、地下1は論外である。それでもなお常に誰かに見られている感覚と戦う地獄を往くならば精神薬と頭に巻くアルミホイルは必須である。絶対に思考盗聴を許すな。

なお、例外的に目線のところに曇り板が嵌め込まれた閲覧席、というかいわゆる皆さんご存知超有名であるところの地上閲覧室仕様の閲覧席コーナーが地下1には唯一存在しているが、曇り板にするくらいなら完全に見えなくしてほしいという気持ちを抑えられないし、こちらは隣に人が座ってしまう。しかも隣席との仕切り板は生卵2個分くらいの大きさしかない。愚かしくも前方からの視線を避けるべくここに座れば隣からの強い圧力に晒されストレスでTwitterもできず漏れなく死ぬ、本末転倒である。

 

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これ

 

とはいえ、先述の通り人口密度以外の点ではあらゆる三田メディア地下の中で最も優れていると言っても良いのだ、当日の人の入り、曜日、時間帯等を加味して、敢えて地下1階での居座りを選択するというプレイングもまた時として必要であろう。

 

・地下2階

世界史棚が存在する。それだけで完璧である。まあ他の棚も普通におもろい。日本史とか、宗教とか、インターネッツ文化とか、文系学生が好きなタイプの本がとりあえず揃っている。個人的には一番本を漁ってて楽しいのはこのフロアだ。

机はここから木製じゃなくなるがまだ椅子は柔らかい、良い。

ただし1階と比べるとまだマシとは言え普通に人が多い。むしろ1階よりは少ないため油断していたところを向かいに座られて即死する危険もある。甘いプレイングはすぐに咎められるのがここの恐ろしいところだ。

ちなみに、ここから自分用コンセントが無くなり、共用2つだけになることにも留意すべきであろう。場合によってはコンセントを向かい側に独占され、充電切れエンドが見えてくる。地下2階の潜在的危険性はある意味で地下1階を上回るのかもしれない。

これは個人的所感だが、どうにも一見学生っぽくない年配の人が多い気がする。彼らは基本的に大量に本を積んで長期居座りをする傾向にある(と思う)。2〜5限受けて戻ってきたら朝座ってた人間がまだいることなどザラである。

彼らに限らず、なんだか長引きそうな人間に向かいに座られてしまった時は究極奥義"自分が別の席に移る"をしなくてはいけない択も見えてくるであろう。これは容易には信じ難いほどひたすらにめんどくさいという点において非常に選びづらく、界隈では禁忌とされる業ではあるが、最終手段として頭の片隅に入れておくと良い。手札の多さも、ミスターメディアセンター、略してポケモンミスターの必要条件だ。

 

・地下3階

まだ椅子は柔らかい。

ここには文学部図書が納められているが、これがどうしてなかなか面白い。本棚の間を歩き回り、背表紙を眺め、ちょいちょい拾い読みをし、どうも良さそうな本があれば1冊抱えていく、これだけで1時間くらい余裕で潰せる。

まだ閲覧席が2箇所ある為、人間が分散しやすいのも良いところ。

ただまあ、洋書棚もある分本を漁るだけなら規模の面で若干地下1、2の方が良い。そして、1、2と比べると比べると人が少ないと言えども4、5よりは全然いる方である。

三田メディア暦では、大学の5限終わりを基準として1日を18:00以前と以降に分ける二進法を採用していることは皆さんも当然ご存知だと思うが、地下3階は(地下1、2と同じく)18:00以降もそれなりに人が残るタイプのフロアなのだ。

ともあれ、なんだか中途半端な感じは否めないが、逆に言うと各要素が高いレベルでまとまっているバランス型のフロアである。

 

・地下4階

椅子がなんだか硬くなる。

ここからぐっと人が減る、目に見えて減る。間違いなく学生よりも司書や警備員とエンカウントする回数が多くなってくる。

地下4階はギミックの多いエリアである、まず本棚が特殊だ。ここでは基本的に本は隠されており、なんか棚ががっこんがっこんしていい感じに必要に応じて一部の棚だけ開くのだ。いわゆる集密書架というやつ。

 

 

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こういうの

 

棚が動作する時は地下4階全体ががちゃがちゃ言ってて楽しい。でっかい機械がうぃーんがちゃがちゃ!ってしているのは良いものなのである!

が、単純にうるさいという致命的欠点がある。あとこのギミックのせいで見れる本が少ない為本探しもなんか盛り上がらない、総じて微妙。あと棚の間に入ったら普通に挟まれそうで怖いよね。なんか暗いし。

とはいえ少ないながら修士論文や雑誌類に挟まれてちょいちょいおもろそうな本があり、そういう意味では良い。

 

地下4階の2つめのギミックは閲覧先を分断する棚である。

これによりある程度視界が遮られ、より高い個室感を得ることができるのだ。ナイス遮蔽物!

 

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圧倒的画力による説明図

 

地下閲覧席は上述した構造上、どんなに遠い席だったとしても1エリアに2人いる時点でその姿が見えてしまうが、地下4階はこの問題をある程度クリアしているのである。

ただし、この結果として地下4階の閲覧席数は三田地下最小の6席にまで減少しており、場合によってはむしろ人が溢れることがあるのかもしれない。しれないが本当にそういう次元ではなく人が少ないのでそんな状況は見たことがない。

 

そして地下4階最後のギミックは、4、5階間の直通階段である。何故かこの2階層だけ閲覧席横の階段を使って迅速に行き来できるのだ。

 

正直これあっても席移動のめんどくささは別に全然減らないのであんまり使わないが、ごく稀により静けさを求めて5階に潜る際には便利かもしれない。なお5階から上がってくることは絶無である。

ただし、これはこれで他人に使われるとうるさいという欠点がある。まあ98%の確率で司書だし、頻度も高くないのでまあ(まあ)

 

まとめると、総じて地下4階は特殊な性質が多く、癖が強い。他を蹴って採用するには利用者のプレイングスキルが求められる。ある意味で最も実力差の出るフロアだ。

 

・地下5階

いない!いないいないいないいないいないいない人がいない!!!!!!最高!!!!!

一番混む時で3人とかそういう日も珍しくない、ほんとに人がいない、静かである、良い。

が、逆に言うとそれだけである。本棚に並ぶは謎の洋書、統計、名鑑、大型本の数々、少なくとも私はこれらを楽しめないし楽しめるようになれる気もしない。

そして閲覧席環境も良くない。椅子は固くなり、コンセントはなぜか共用1つに削減されている。

Wi-Fiは一応飛んでいるものの、飛び方が独特で、座った席次第では拾えないか、切れがちである、繊細なポジショニングが求められる。ちなみに4gとか5gとかそういう文字を見られる限界深度は基本的に地下3階である。機嫌がいいとたまに4階でも見られるが、5階はまず間違いなく圏外である。

そして、地下に潜れば潜るほど言えることだが、最深部である地下5は外とのアクセスが最悪である。エレベーターは基本的に1階付近をうろちょろしており、降りてくるまでが長い。外出はちょっとした遠征気分だ。

 

なお、これはちょっとした裏技だが、閲覧席ではなく大型本書庫に行く手がある。というのも、大型本書庫に備え付けられているコピー機が載っている机の空いてる部分に、椅子が2つだけセットされていて使えるのだ。

ここはWi-Fiも絶対に届かないが、人も最も来ない場所の一つであり、一番集中できると言って良い。ただし、それでもたまーーーーーに回ってくる司書、警備員には奇異の目線を向けられるし、しかもなぜか地下1〜4階までのコピー機を全部無視して5階まで降りてきてコピーしにくる謎生命体もごく稀に良く存在し、かち合うと気まずさが天元突破する危険も孕んでいる。つまり諸刃の頭突きであり、素人にはおすすめできない

 

3.環境考察

以上、ここまで見てきた結果、大雑把にいえば基本的に上に行くほど機能性が高いが人が多く、下に行くほど人が少ないが機能性が失われるという関係にあることがわかる。

これを踏まえて、三田メディア地下での取るべき立ち回りを考察する。

結論として言えば、授業を控えているなら浅めで基本2、状況次第で1、もしくは3を選択、そうでない午前〜18:00までは3〜5を選択、18:00以降、もしくは土曜などは2、3が良いが、状況を見て1を選んでも良いだろう。

もちろん、これはあくまで一例に過ぎない、レート上位の強者を目指すためには、諸君も形式にとらわれず、自由なメディア地下立てこもりの形を探してほしい。

なお、18:00以降は普通に適当な空き教室に居座る方が300倍くらいQOLが高まることを書き添えておく。

 

本を探すなら地下2階一択です、世界史棚に行け。1と3にも世界史あるけどね。

 

4.おわり

メディア地下で勉強しているとこういう駄文が合間に捗るなどの効果もあります。

なお、三田メディア館内が撮影禁止なせいで画像の用意に一番手間がかかりました、許せん